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高森明勅
2017.3.31 02:00

「秋篠宮」継続?

時事通信がこんなニュースを配信(3月31日)。

政府は天皇陛下の退位に関し、
皇太子さまが次の天皇に即位した後も
弟の秋篠宮さまの称号を変更
せず、
『秋篠宮』のままとすることで調整に入った。
称号を変えない場合でも、皇位継承順位1位の
皇族として対外的には『皇太子』と表記し、
待遇も現在の皇太子ご一家と同等とする方向だ」と。

興味深い。

前にも述べたように、皇室典範は皇位の継承において
「直系」
優先を原則とする。

それに対応して「皇嗣」であっても、
直系の「皇子」「皇孫」以外は「皇太〇」
という呼び方をしていない。

今回の秋篠宮殿下の場合ように、
「皇弟」
が皇嗣になられる可能性も制度上、
当然予想出来た。

にも拘らず、「皇太弟」とは呼ばないという立場だった。

それを貫こう、ということ。

「皇太弟」でも「皇太子」でもなく、
「秋篠宮」のまま。

これは一つの見識ある方向性だ。

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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